現役時代のエピソード+今年のチームへ(羽生)
【現役時代のエピソード+今年のチームへ】
2年生のときに一緒に過ごした4年生が忘れられない、というのはよくある話で、
ご多分に漏れず、僕も2期上のお世話になった先輩には多大な影響を受けた。
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Blue Bullets 2011の副将で51番だった【上野さん】はイケメン、クレバー、ラクロスが上手いという三拍子が揃った先輩で、「キング」と呼ばれていながら全く嫌みのない、まさに憧れの先輩だった。
今の会社の面接の志望動機は全部「尊敬している先輩がいるから」といって上野さんについて語り続け、結局採用されて入社してしまった。
異性として生まれたら確実に上野さんに心を持っていかれていたから、女に生まれなくて本当に良かったと思うことも何度もあった。
上野さんは、僕が知っている本当に素晴らしいリーダーのうちの一人だ。
リーダーシップの大切な要素として「明確なゴールへのビジョンをもってプランを立てること」はしばしばスポットライトがあたるが、本当に価値のあるリーダーシップとは、「他の仲間とそのプランを共有し、いかにエネルギー高く同じ舟に乗ってもらうか」に尽きると思う。
上野さんは単なる「ラクロスが上手い選手」ではなく、その言葉や所作でBlue Bulletsの120人を同じ舟に乗せてしまう魔法を持っていた。
上野さんのリーダーシップの源泉は、「感じる力」にあったと思う。
魔法のように人を動かす上野さんの言葉や所作は、チーム全体に漂う空気や、同期や後輩が何を感じているか、Blue Bulletsが外部からどう見えているか、チームの武器と課題は何か、次に自分や仲間がぶつかりそうな壁はどこか、色々なことを多くの側面から感じることから生まれていた。
多くの側面から感じていたこと、これがまさに上野さんの強い影響力を支えているベースにあって、「相手がどんな思いを持ちながら目の前の物事を捉えているか」という最もチーム内でギャップの生じやすい部分を、自分が日々感じていくことで得た数えきれない引き出しを使い、バランスを取って調整していた。
上野さんは滅多に断定した言葉を口にしなかった。
極端な肯定も否定もせず、まずはあるがままに受け入れ、多くの観点から分析し、その上で日本一になるチームとして一つになるために決断していく。だからこそ、ごく稀に発される日本一を目指すための上野さんの強い意志は、刃のようにチームに突き刺さった。
言葉は優れたリーダーの強い武器のうちの一つだが、上野さんの言葉は誰しも受け止めやすいようにしなやかで、それでいて決して折れない強さを持っていた。
副将になっても「当たり前のことを一番徹底して実行する」所作が、上野さんのリーダーとしての信頼をさらに強いものにしていた。
毎朝一番にグラウンドでシュー練をし、誰かの発信には全てに示唆の富んだレスポンスをして、ボールアップやゴミ拾いは最後までやる。チームが勝つ上で価値あることはどんなことも見逃さずにAppreciateし、違和感あることは決して妥協せずに指摘する。
副将の上野さんが自分で当たり前のことを100%実行していたからこそ、リーグ戦の大一番のベンチでチームが本当に厳しい時間の上野さんの言葉は、誰しもが100%体現せざるを得ないパワーを含んでいた。
Blue Bullets 2011の上野さんの姿はいつまでも僕のモデルで、上野さんと出会えたことだけでもBlue Bulletsで大学時代を過ごした意味があった。
「活躍してほしいと思われる選手こそが、最後に活躍する。」
上野さんはケガをしてシーズンの半分をプレーせずに過ごしたが、Blue Bullets 2011の圧倒的な精神的支柱として決して欠かせない存在であり、山場の慶應戦では東大スコアの半分以上をフル代表Gからもぎ取って勝利をもたらす、まさに理想的なリーダーだった。
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ラクロスで勝つために必要な要素はたくさんあるけれど、そのうちの大切な一つがメンバーのリーダーシップだと強く思う。
Celeste 2018が勝つために、そして東大がこれからもずっと強く変化していくために、現役のメンバーには是非、僕が現役時代に出会えた上野さんのようなリーダーになってほしい。