現役時代のエピソード+今年のチームへ(いつき)



学生時代を振り返ると数え切れないほど思い出がありますが、私が下級生のときの話を。


当時の学習女ラクはいわゆるTHE体育会系だったので、一年生のときは毎日先輩からの集合をかけられる(何かにつけて2時間くらい怒られる→反省と改善策を考えてその日のうちに報告する→その結果何故か終電間際の帰宅)恐怖に怯えながら、フォロー(練習や部活動運営における様々な準備)に専念していて、人数も70人超はいたのでリーグで自分が活躍しようなんて思ったことは正直ほとんどありませんでした。

ただ、いつも「日本一」に繋がることは何かを意識していたので、いかに自分たちが先回りして動くことで先輩達に練習に集中してもらい、日本一になれるような環境を作れるか。結果日本一になれればよかったので、そればかり考えていたように思います。後になってもっとプレーでガッツいてもよかったかなとも思ったけど、「このメニューが終わったら次はあのメニューになるからボールをいくつ持って行って、ドリンク(水と茶)を何個何処に配分よく置くか、いつ氷をフォローすれば常に冷えた状態のドリンクを提供できるか」などを考える『前』の予測に関しては相当力がついたので、これはこれでよかったのだと思います。笑



ただ、一年生の時のぽんさんとの出会い(Slack参照)や様々な悔しい経験も勿論あり、負けず嫌いな自分は絶対二年生でリーグに出ると一年の冬に決心してからは自分なりに相当量の練習しました。オフは作らず毎回他大の練習に行ったり、個別で弱点強化の為のトレーニングに通ったり、、ラクロスをうまくなるということだけに集中していた気がします。


また、70人もいる中でどうやったら下級生で20人のメンバーに入ることが出来るかを考えた結果、ポジションとかではなくピンポイントの人で落とそうと目論見ました。(今思うとただのアホで、自分の武器を磨けばよかったと思いましたが笑)

絶対にこの人には負けたくないという四年生の先輩を作り、まずはひたすらその人に追いつけるように練習しました。

当時のHCはぼっさんで(現農大HC)、ぼっさんは結果だけでなく努力のプロセスも見る人で、私も絶対リーグに出たかったので、よく「私には何が足りないですか?どうしたらリーグにでれますか?なんであの先輩が出て私は出れないんですか」って下手なのに聞きまくってました。笑 


で、私今すごい頑張ってる!って思ってたけど、とある日ぼっさんに「いっちゃんは人の見てないところでは頑張ってない」と言われました。頑張ってないって初めて言われて最初は意味がよく分からなかったし、自分がしてきた努力が伝わらないのかと悲しくなったけど、とても大切なことを教えてくれているのだと気づきました。

それは、その局面で一生懸命勝負を頑張るのではなくて、本当の頑張りどころはそこに至るまでのプロセスの中にあるのだと。

最後の最後までボールを追いかける、誰よりも逆サイを走り上がる、一番最初に切り替える、相手の嫌な動きをし続ける。当たり前だけどとても大切なことです。


自分の売りは諦めない泥臭さだとは思っていたので、そういう真っ直ぐなプレーで見せてほしいということ。みんながキレイにこなしてしまうところではなく、自分にしか出来ないポイントをやり続ける・磨き続ける。そこが下級生の私には求められているのだと思いました。先輩との勝負も勝ち抜き(2分間の連続1on1勝負、シュート対決10本などなど様々。笑)、2年でベンチメンバーに入ることができ、(当時3人)やっと3戦目の青学戦(vsぽんさん)でフィールドに立つことができました。



全体のMTGの時にみんなに話した言葉があります。



勝負は準備力が心身を整える。整えば勝ちます。

時間は未来から今に流れると言われていて、未来を決めればそれに対する今が決まり必要な物事を用意出来ます。

その場で勝とうとせず、勝つための日々を送ることが大事なのだと。今自分にトライする勇気が必要であり、本番で勇気や知恵を振り絞るのではなく、練習で振り絞る。本番は淡々と環境に向き合うだけです。やれば出来るとは、やったから出来るものだと思います。


これはぼっさんではない別の人から言われた言葉ですが、同じことだとつくづく思います。


今年は「やるしかない」がスピリット。相手に勝つためなのか、自分自信の弱さに打ち勝つためなのか、それぞれの「やるしかない」があると思います。みんなには、自分なりのやるしかないを全力で体現してほしい。結果的に後悔することの方が多いかもしれませんが、やはりもう少しあれをしておけばよかったな、とかもうちょっと頑張れたな、とか後悔して終わってほしくない。後悔はいつになっても忘れられないものです。

因みに私は後悔するのが死ぬほど嫌なので、「前悔」するようにしています。これは誰かに言われて納得したことですが、前悔しておけば何かをする前によく考えて結果はどうなろうとまず覚悟を決めて自分で始めることなので、全て想定内になるのです。だからやりこむことができます。


私は、みんなが全力で2部昇格に向かって突っ走れるようにサポートしていきます。だからみんなも限界を決めず全力で取り組んでほしいです。まだまだ18チームは始まったばかり。ここから!


「やるしかない!!!」




現役時代のエピソード+今年のチームへ(羽生)

【現役時代のエピソード+今年のチームへ】

 

2年生のときに一緒に過ごした4年生が忘れられない、というのはよくある話で、

ご多分に漏れず、僕も2期上のお世話になった先輩には多大な影響を受けた。

 

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Blue Bullets 2011の副将で51番だった【上野さん】はイケメン、クレバー、ラクロスが上手いという三拍子が揃った先輩で、「キング」と呼ばれていながら全く嫌みのない、まさに憧れの先輩だった。

今の会社の面接の志望動機は全部「尊敬している先輩がいるから」といって上野さんについて語り続け、結局採用されて入社してしまった。

異性として生まれたら確実に上野さんに心を持っていかれていたから、女に生まれなくて本当に良かったと思うことも何度もあった。

 

上野さんは、僕が知っている本当に素晴らしいリーダーのうちの一人だ。

リーダーシップの大切な要素として「明確なゴールへのビジョンをもってプランを立てること」はしばしばスポットライトがあたるが、本当に価値のあるリーダーシップとは、「他の仲間とそのプランを共有し、いかにエネルギー高く同じ舟に乗ってもらうか」に尽きると思う。

上野さんは単なる「ラクロスが上手い選手」ではなく、その言葉や所作でBlue Bulletsの120人を同じ舟に乗せてしまう魔法を持っていた。

 

上野さんのリーダーシップの源泉は、「感じる力」にあったと思う。

魔法のように人を動かす上野さんの言葉や所作は、チーム全体に漂う空気や、同期や後輩が何を感じているか、Blue Bulletsが外部からどう見えているか、チームの武器と課題は何か、次に自分や仲間がぶつかりそうな壁はどこか、色々なことを多くの側面から感じることから生まれていた。

多くの側面から感じていたこと、これがまさに上野さんの強い影響力を支えているベースにあって、「相手がどんな思いを持ちながら目の前の物事を捉えているか」という最もチーム内でギャップの生じやすい部分を、自分が日々感じていくことで得た数えきれない引き出しを使い、バランスを取って調整していた。

 

上野さんは滅多に断定した言葉を口にしなかった。

極端な肯定も否定もせず、まずはあるがままに受け入れ、多くの観点から分析し、その上で日本一になるチームとして一つになるために決断していく。だからこそ、ごく稀に発される日本一を目指すための上野さんの強い意志は、刃のようにチームに突き刺さった。

言葉は優れたリーダーの強い武器のうちの一つだが、上野さんの言葉は誰しも受け止めやすいようにしなやかで、それでいて決して折れない強さを持っていた。

 

副将になっても「当たり前のことを一番徹底して実行する」所作が、上野さんのリーダーとしての信頼をさらに強いものにしていた。

毎朝一番にグラウンドでシュー練をし、誰かの発信には全てに示唆の富んだレスポンスをして、ボールアップやゴミ拾いは最後までやる。チームが勝つ上で価値あることはどんなことも見逃さずにAppreciateし、違和感あることは決して妥協せずに指摘する。

副将の上野さんが自分で当たり前のことを100%実行していたからこそ、リーグ戦の大一番のベンチでチームが本当に厳しい時間の上野さんの言葉は、誰しもが100%体現せざるを得ないパワーを含んでいた。

 

Blue Bullets 2011の上野さんの姿はいつまでも僕のモデルで、上野さんと出会えたことだけでもBlue Bulletsで大学時代を過ごした意味があった。

 

「活躍してほしいと思われる選手こそが、最後に活躍する。」

上野さんはケガをしてシーズンの半分をプレーせずに過ごしたが、Blue Bullets 2011の圧倒的な精神的支柱として決して欠かせない存在であり、山場の慶應戦では東大スコアの半分以上をフル代表Gからもぎ取って勝利をもたらす、まさに理想的なリーダーだった。

 

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ラクロスで勝つために必要な要素はたくさんあるけれど、そのうちの大切な一つがメンバーのリーダーシップだと強く思う。

Celeste 2018が勝つために、そして東大がこれからもずっと強く変化していくために、現役のメンバーには是非、僕が現役時代に出会えた上野さんのようなリーダーになってほしい。